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日本企業に投資呼び掛け アルゼンチン大統領来日 改革アピール

2017年05月19日

 アルゼンチン大統領として約20年ぶりに来日したマクリ大統領は19日、日本・アルゼンチン経済フォーラムで講演し、「アルゼンチンは大きな政策改革に向かっている」と述べ、国際金融市場への復帰など改革推進を強調。農業やインフラ、鉱物など資源開発への投資を日本企業に呼び掛けた。

 また安倍晋三首相とも会談、経済関係強化で一致した。ただ欧米や中国も市場開拓を急いでおり、日本は官民一体で技術力や安全性を訴求できるかが鍵となりそうだ。

 同国はこれまでの保護主義的な反米左派政権に代わり、2015年12月のマクリ大統領誕生で外資の投資環境は一変した。事実上の債務不履行(デフォルト)状態の解消や、外資誘致のための規制緩和など矢継ぎ早に政策転換を進め、今回の訪日を機に政治的な安定性や政策の継続性を訴えた。

 同国の政府関係者は、インフラの未整備が最大のボトルネックと強調する。インフラ投資は16~19年に1000億㌦(11兆3000億円)と試算されており、丸紅や三井物産、三菱商事といった大手商社や三菱電機などは都市開発や道路、鉄道、発電所、港湾整備などのインフラ投資事業に期待する。輸送網が整備されれば、穀物の増産や新たな資源開発にもチャンスが広がる見通しだ。

 同国は人口4000万人強で、1人当たり国内総生産(GDP)が1万ドルを超える南米第2位の市場。進出している日系企業約50社にとって魅力的で、トヨタ自動車やホンダなどは2000年代も投資を続け、日産自動車は今後、ピックアップトラックの生産を開始する計画。

 同国の自動車生産は約60万台だが、これを22年に100万台に引き上げる考え。「裾野産業を広げたい思惑もあり、今後は部品メーカーの進出機会も増える」と日本貿易振興機構(ジェトロ)の紀井寿雄ブエノスアイレス事務所長は話す。

 農業増産の潜在力も大きい。日本政府も穀物の安定調達に向け、アルゼンチンの農業や輸出を支援。日本貿易保険は、丸紅が提携するカグサへの銀行融資に加え、三井物産が大手穀物ビセンティンと結んだ飼料用穀物などの長期買い付け契約にも貿易保険を付けた。

 とはいえ、投資環境は万全ではない。投資協定は早期締結を目指して交渉中だが、産業界からは輸入手続きの簡素化など一段の投資環境の改善や整備を求める声もある。

 加えて、インフラ受注をめぐる欧米や中国との競争は激しく、政府の金融支援なども求められている。