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営業規制や住環境悪化を懸念

2018年03月12日


 旅行者の宿泊の幅を広げる民泊サービスが日本国内で本格化する。合法化を商機とみる事業者の民泊ビジネス参入が相次ぐ一方、自治体の営業規制や住環境悪化を懸念した周辺住民らによる〝民泊包囲網〟も築かれる。民泊が排除されればヤミ民泊の横行につながる可能性もあり、政府も神経をとがらせる。

 宿泊者の85%訪日客

 JR蒲田駅(東京都大田区)から徒歩7分。京王電鉄は昨年2月、地上6階地下1階建ての賃貸マンションを改修し、1棟全体が民泊物件の「KARIO KAMATA(カリオ・カマタ)」を開業した。

 政府の国家戦略特区制度で大田区内の民泊営業が認められたのを機に、開業へ踏み切った。花見シーズンの4月や長期休暇の7、8月、年末年始などは稼働率も上々で、担当者は「宿
泊者の85%が訪日客。新法施行後には別の場所にも開発したい」と声を弾ませる。

 民泊仲介サイトを立ち上げる楽天ライフルステイは、民泊参入を検討する法人・個人向けに内装などの統一や集客・清掃などの運営代行パッケージ「楽天ステイ」を提供。家具付き賃貸住宅を全国展開するレオパレスとの提携で、物件も調達が進む。

 不動産情報サイト「SUUMO」を運営するリクルート住まいカンパニーは米民泊仲介大手のAirbnb(エアビーアンドビー)と提携し、物件所有者や管理会社に民泊管理の代行会社を紹介。
「資産活用として、民泊経営を考えるオーナー向けのサービス」(広報)と位置付ける。

 80%で「禁止」

 しかし、住環境悪化を懸念して、独自条例で営業制限をかける自治体は多い。

 観光庁のまとめでは6日現在、都道府県や政令市など150自治体のうち、52自治体が営業日数や区域、曜日などに条例で制限をかける。東京都大田区、兵庫県など5自治体は住居専
用区域での営業を禁じる「0日規制」を設け、東京都中央区は全域で「月曜正午~土曜正午」は営業禁止だ。

 マンション住民も自宅と同物件内で民泊営業が可能となることに警戒する。マンション管理業者の業界団体、マンション管理業協会(東京都港区)が2月に行った調査で、マンション管理組合8万7352組合のうち80.5%(7万361組合)で民泊を「禁止」とする総会決議や規約改正を行った。容認を決めたのは270組合にとどまる。

 民泊新法は健全な形での民泊普及が目的だが、自治体の対応次第で新たな〝違法民泊〟を生み出す結果となる。菅義偉官房長官は5日の記者会見で、自治体の営業規制について「民泊の健全な普及を図る新法の目的を踏まえれば、全面的に禁止するような過度な規制は適切ではない」と、くぎを刺した。