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ベンチャー支援で相乗効果 日本郵政グループ 販路提供と配達最適化

2018年03月12日


 日本郵政グループがベンチャー企業の支援に力を入れている。傘下の日本郵便は全国2万4000の郵便局網を販路として提供しているほか、配達業務の最適化にベンチャー企業の人工知能(AI)技術を活用した。ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険も共同でベンチャー企業を対象にした投資会社を立ち上げた。ベンチャー企業が持つ自由で創造性に富んだ発想を取り込み、豊富な経営資源を生かした、これまでにない新しいサービスを開発するのが狙いだ。

 人気商品に成長

 JR東京駅前にある東京中央郵便局。記念切手売り場のすぐそばにある小さな陳列棚には、かわいらしいロボットなどが並ぶ。ユカイ工学(東京都新宿区)は2月に同局でコミュニケーションロボット「BOCCO(ボッコ)」の販売を始めた。ボッコは高さ約20センチ、幅約9センチ、奥行き約5センチの小型ロボだ。

 留守番の子供がボッコの録音ボタンを押して自分の声を録音すると、外出中の父母のスマートフォン専用アプリに伝言が届けられる。また逆に外出先からスマホを使って、自宅のボッコに伝言を送ることもできる。別売りの振動センサーをドアに貼り付けると、ドアが開いた瞬間にスマホにメールが届く。

 「2025年までに、家庭用のロボットが一家に1台ある世界を目指す」。青木俊介最高経営責任者(CEO)は高い目標を掲げる。同社はボッコをインターネット通販や家電量販店などで販売してきたが、目標達成を実現させることを考えると郵便局網が魅力的な販売チャンネルとして映った。

 東京中央郵便局ではボッコのほか、モノのインターネット(IoT)ベンチャーのチカク(同渋谷区)が開発した、スマホ撮影の動画をテレビで視聴できるようにした端末「まごチャンネル」や、MAMORIO(マモリオ、同千代田区)の落とし物防止電子タグも販売している。

 まごチャンネルもボッコ同様、2月に販売開始。チカクの伊藤景司事業開発責任者は「販売先の郵便局を増やしたい」と語る。

 落とし物防止電子タグは、鍵など落としたら困る物に電子タグをつなげると、落とした場所から一定の距離になるとスマホにメールで知らせるというものだ。

 昨年には全国の郵便局で、風が吹いても壊れない雨傘「ポキッと折れるんです」を発売した。突風などの際には、傘の骨が内側から外側に折れることで力を外に逃し、閉じて開けば元に戻る構造で、人気商品となった。

 事業改革に生かす

 日本郵便は、ベンチャー企業のアイデアを活用した事業改革にも乗り出す。起業支援のサムライインキュベート(同品川区)と組んだオープンイノベーションプログラム「ポストロジテック・イノベーションプログラム」の成果発表会を先月開催。最優秀賞に輝いた名古屋大発ベンチャーのオプティマインド(名古屋市中村区)はAIを使った配達ルート最適化システムを開発した。郵便番号を入力するだけで、携帯情報端末の地図上に最適なルートが表示される。

 この実証試験には、埼玉県草加市の草加郵便局が協力した。オプティマインドの松下健代表は「新人職員がこのシステムを使えば、ベテラン職員とほぼ同じ時間で配達をこなせることが確認できた」と話す。