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支援先の先細りに危機感 地銀、大学発ベンチャーへ積極投資

2018年06月08日


 地元大学の教授や卒業生がつくったベンチャー企業に積極的に投資する地方銀行が急増している。地域経済の活性化が狙いだが、資金の支援先が先細り開拓を迫られており、収益が不安定な新興企業でも稼ぎの種にしたい事情がある。

 「将来性を評価してくれたことが受け入れの決め手だった」。人の後ろを自動で付いてくる運搬ロボットを開発するベンチャー企業Doog(ドーグ、茨城県つくば市)の大島章代表取締役は、筑波銀行(茨城県土浦市)の出資を受けた理由をそう説明する。

 ドーグは2012年、ロボット工学に詳しい筑波大OBらが設立した。開発した自動運搬ロボットがシンガポールの空港で利用されるなど、販売先を着実に増やしている。昨年春に筑波銀のファンドを受け入れた。

 筑波銀は経営に携わらない出資者の形でファンドを設立し、地元に長く拠点を置いてもらうことを念頭に出資先を検討してきた。渡辺一洋常務執行役員は「投資先は地域経済を元気にするためのパートナー。収益が最大の目的ではない」と強調する。

 山陰地方を拠点にする山陰合同銀行(松江市)も15年に、鳥取大と島根大の研究成果を事業化した企業などに投資するファンドを設立した。投資枠を20億円超に設定し、カニの甲羅の成分で化粧品などを開発する鳥取市の企業などへ出資している。

 背景にあるのは人口減少などで投融資先が先細りし、収益低迷から抜け出せなくなる危機感だ。地域振興部の西尾誠司副調査役は「銀行が将来立ち向かうであろう苦しみを回避するための一手でもある」と力を込める。

 九州では昨年、地元経済団体や企業などが「九州・大学発ベンチャー振興会議」を設立した。ふくおかフィナンシャルグループなどの地銀を交え投資先探しで意見を交わし、既に大分大のほか、宮崎大への出資を始めている。

 荘内銀行(山形県鶴岡市)もベンチャーに投資し、最先端技術に疎くならないよう山形大に行員を派遣している。「収益がきちんとあるわけでない。ただリスクを取ってでも地場産業を育てなくてはならない」(地方創生の担当者)。

 地域金融に詳しい名古屋学院大の小林礼実准教授は「ベンチャー企業への投資にはリスクは付きものだ。ビジネスモデルを確立し、長期的に投資できる仕組みをつくる必要がある」と話している。