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緩和長期化 銀行業界に焦り リスク投資で損失…経営揺らぐ懸念

2019年03月14日

 日本銀行の大規模金融緩和の長期化に対し、銀行業界が焦燥感を募らせている。市場では今後の景気後退入りを見込んだ追加緩和観測もくすぶり、緩和を手じまいする「出口戦略」は一層遠のきそうだ。低金利の長期化で本業の貸出業務は利益を出せず、リスクの高い投資に傾注して損失を出し、経営の安定性が揺らぐ懸念が強まっている。

 全国銀行協会の藤原弘治会長(みずほ銀行頭取)は14日、会長として臨む最後の記者会見で、大規模緩和について「経済全体で損失が利益を上回る状態に陥るリスクが高まっていないか十分精査してほしい」と見直しを要望した。また、日銀が掲げる2%の物価上昇目標にはこだわらない柔軟な対応を求めた。

 景気が後退局面入りした可能性が指摘される中、銀行業界の訴えには、政府が景気は穏やかな回復基調にあるとの認識を維持している今が将来の正常化に向けた政策修正の「ラストチャンス」(大手銀幹部)という切迫感がある。

 実際、エコノミストの間では日銀がいずれ追加緩和に踏み切るとの見方が徐々に強まっている。足元の株価回復を受け、今すぐ景気の下支えが必要になるとみる向きは少ないが、年末に向け景気悪化が進み上場投資信託(ETF)の買い増しなどの対応が必要になるとの見立てが広がっている。

 今年に入って利上げを中断した米連邦準備制度理事会(FRB)には既に利下げ観測も浮上。現実になれば日米の金利差縮小による円高進行を防ぐため日銀も追加緩和を検討せざるを得ず、出口戦略は数年単位で後ずれする可能性が高い。

 超低金利で利ざやが減った金融機関は収益を求めリスクを取る傾向を強め、昨年後半からの株安や米金利上昇を背景に株式や外債投資の運用失敗で損失を計上する事例が相次ぐ。みずほフィナンシャルグループが2019年3月期の業績予想で計約6800億円の巨額損失を発表したのも外債運用などで約1800億円の損失を出したのが一因だ。

 比較的高い利回りに引かれ低格付け企業への融資を証券化したローン担保証券(CLO)を買い入れた邦銀も多く、金融庁は価格低下時の損失に懸念を強める。

 全国地方銀行協会の柴戸隆成会長(福岡銀行頭取)は「信用性が低い商品から問題が出る。世界経済が踊り場に差し掛かる中、十分注意している」と説明する。