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アスクル「成長事業乗っ取り」 ヤフーは岩田社長の手腕を疑問視

2019年07月19日

 通信販売大手アスクルの岩田彰一郎社長は18日に会見し、インターネット通販事業をめぐり、筆頭株主のヤフーと対立し資本業務提携の解消を申し入れたことについて「成長事業が乗っ取られると思った」との見解を示した。ヤフーが岩田社長の再任に反対するなど、資本の論理で問題解決を図ろうとしていることには「上場子会社と支配株主の利益相反の問題も内包する」と強く批判した。

 両社はアスクルが運営する個人向けネット通販「LOHACO(ロハコ)」事業をめぐり対立する。

 ヤフーは同事業の譲渡を求めたが、アスクル側がこれを拒否。アスクルがヤフーに提携解消を申し入れると、ヤフーはアスクルが8月2日に開く定時株主総会で岩田氏の再任議案に反対すると発表するなど、激しい対立の構図に発展している。

 アスクルの約45%の株式を保有するヤフーに、約11%の株を持つ事務用品大手プラスも同調しており、岩田氏は「約60%にあたる株主からの意見を重く真摯(しんし)に受け止める」と述べた。

 だが、アスクルが2012年4月にヤフーと資本提携をした際に結んだ上場会社としての独立性を担保する契約に、ヤフーが「明らかに違反している」と強く反発した。両社は提携後に良好な関係を維持してきたが、昨年6月にヤフーの川辺健太郎社長が就任、「経営陣が代って関係が変わってきた」と指摘した。

 対立の火種となったロハコ事業はアスクルがヤフーの支援を受け、12年10月に開始。ただ、19年5月期には営業損益が約92億円の赤字となるなど、事業開始以来赤字が続き、アスクル本体の収益を圧迫している。

 ヤフーはてこ入れが急務と判断し、事業譲渡を要請したが、岩田氏は「ロハコだけを切り離すと、残ったアスクルは価値が下がる」と反対した理由を語った。社外取締役らによる独立役員会での審議でも「ロハコは将来の宝。今切り離すのは利益ならない」との結論で一致したという。

 もっとも、ヤフーはアマゾンジャパンや楽天にネット通販で後れをとっており、巻き返しに向けアスクルの事業改革が急務となっており、「岩田氏の事業計画の立案力や遂行力には疑問を抱く」と一歩も引かない姿勢だ。

 今後は、ヤフーに提携契約の違反があった場合にアスクルがヤフーに株を手放すことを請求できる条項を行使するかどうかが焦点となる。岩田氏は協議で解決したいとの意向を示す一方「請求をする可能性も検討しており、(定時株主総会のある)8月2日の前までに判断しなければならない」と語った。


写真説明=
記者会見するアスクルの岩田彰一郎社長(左から2人目)ら(18日午後、東京都千代田区)